東京神田駅を降り駅前とおりで「カード現金化90%で」と書かれた看板を雑居ビルの入り口で目に見つける。やっぱり現金がないと困る、別に借りている借金の返済にどうしても現金がいる。しかも明日が期限だ。恐る恐る雑居ビルの古ぼけた階段を昇る。やばい人が出てきたらすぐ帰ろうと心に決めて、3階のドアのノブに手かける。中に入るとがらんとしたオフィスに机とパイプイスが2つ並べてあり、その間に申し訳ない程度のしきりパーテションがあった。壁の向こうから出てきた中年のおじさんが「カードの現金化希望されますか。」と僕に声をかける。「は・・い」と返事すると「じゃそこに座って」と言って自分も座り向かい合う。それからクレジットカードの種類や利用可能限度額、現金の必要希望額などを聞かれ、おじさんはメモを取る。近くの宝石やブランド品を扱う店に行ってこの金額分購入くるように指示される。利用限度額ぎりぎりだ。雑居ビルを出て、歩いて3分ぐらいで指定された店に着き、ヨーロッパのブランドバックを5万円で買う。カード決済をする。不承認されるのではないかと不安になるが、決済となった。これで一つの山を超えた心もち。明細と商品をもらい、今来た道を戻る。今度はやや安心して、雑居ビルを昇り同じ部屋に入る。おじさんは「ごくろうさん」と軽い声をかけテーブルについた。僕は指定され購入した商品を手渡し、明細を見せる。おじさんは「はいそれでは、90%と手数料10%を差し引いて80%で40000円ですね」と言い、僕はすでにここまで来てしまって、手数料がどうのこうのと言うこともできず、「ええ」と返事をする。商品はおじさんの手に渡り、僕には貴重な現金4万円が手に入った。もう1万円の手数料などはまったく気にならず、財布にしまう現金だけが心の安らぎを与えてくれる。帰り道、借金の返済に行こうとお店の前まで行ったが、一日だけ現金を財布に入れておきたくて、今日の返済はやめた。明日午前中に返済しようと決め帰りの電車に乗った。